正しくは「貧すれば鈍する」(貧乏になるとどんな賢い人間も愚鈍になる)ですが、太宰治は「貧すれば貪する」(貧しくなればなるほど欲深になる)と書いたらしいです。誤用だけど上手い具合にハマってて好き。
ジルコンとタンザナイトの時のイメージ。
テーブルマナー完璧なリチャ氏が手掴みで貪る姿と食べ物を粗末に扱わない正義くんが意味もなく食物をナイフで刺し回す姿をね、見たくてですね。
心が貧すれば、鈍する、貪する。自分が本当にお腹が空いてるのか何なのかわからずにとにかく目の前の物を詰め込むような感じで。
誰かに無性に優しくしたい時ってないか?という正義くんの言葉は「大切な人の役に立ってそのまま消えたい」という願望の延長線上にあったものだけど、5巻で過去にリチャ氏が自分のこと顧みずティアラを取り戻そうとしたときのシャウルさんの言葉「誰かを救いたいと願っている者は誰よりも己を救いたいと願っている」というのにも通じてるんじゃないかなと思います。
ここら辺事前に自分の体験で学んでたから「誰かに優しくしたくなったら、私のところに来なさい」って言葉になったり、正義くんの根の深さにかなり早い段階から気付いてたのかなぁと思ってたり。
でも正義くんが「俺は正義の味方なんかじゃない、大切な人に失望されるのが怖いだけだ」って叫んだ時、リチャ氏はその在り方について「あなたは間違っていない」と肯定したんですよね。
(後にこの部分を指して4巻で「私もあなたに呪いをかけていた」と言っていたのは正義くんの自己犠牲、自己否定からくる正義感を肯定したから、なんですが)
あの時リチャ氏がはっきりと「間違っていない」って言ったのは、確かにリチャ氏は代々木での出会いの時、正義くんの優しさに助けられたからなんだろうなと考えています。
リチャ氏にとっては正義くんは誰がどう言おうと「正義の味方」なんだろうな~と。本人が違うと言ってもそこは否定されたくなかったんじゃないかな。そういうのってあると思う。
谷本さんがパライバの話で「自分の好きは自分が好きになった人を不幸にするものではないか」と言った時正義くんは「それは違う」とはっきり言ったのと同じ。
言わないではいられない気持ち。
正しくはないかもしれないけど、他と違うかもしれないけど、自分はそれに助けられたのだからどうか否定しないで欲しいっていう気持ち、わかるなぁ。
ジルコンとタンザナイトの、いわゆる「暗黒期」って読んでて胸が苦しくなるけど、腐女子的な視点だと…おいしいと……言わざるを得ない………。
なんだろうこの独特の闇の魅力は…。
今のエトラがハピハピハピネス絶頂モードで安心して妄想できちゃうからかな…?
0コメント