ヨコハマトリエンナーレ2020行ってきました!

トリエンナーレ…3年に1度の美術祭典です!
前回も見にいきましたが、今年も行けて良かった!
※あんまり作品や展示会の解釈とか真面目にしてないです。

まず入り口から。
作家:ニック・ケイヴ(アメリカ)
キラキラしてて綺麗!
アメリカの家庭では馴染みのあるガーデンスピナー。
なんかあれですね、通販のハンドメイド講座とかにある光を取り込むやつとかカラス除けのCDとかあんな感じかな?多分違うね。
外に置いたら風受けてクルクルするしもっとキラキラして綺麗なんじゃないかなぁとちょっと思いました。

作家:チェン・ズ(北京)
黄昏時を書いた文学作品に影響されて作ったそうな。
わざとチラ見えする感じでちょっと開いたカーテン越しに窓の風景を見る、という作品。
恥ずかしながら私はうっかりカーテンの内側に入ってしまい学芸員さんに止められました。申し訳ないことを…😞
ボタンがあれば押したくなるのと同じく、人間は薄くカーテンがかかっていると開けたくなる・中を覗きたくなるようです。アフォーダンスってやつですね。

作家:キム・ユンチョル(韓国)
個人的にこの作品が一番印象に残りました!
形は数学の結び目理論に基づくとのこと。結び目理論って初めて聞いたな…。
この光の光彩、よく見るとモヤモヤ〜っとゆっくり動いてるのですよね。油の膜みたいな感じ。どういう原理か学芸員さんに聞いたのですが…なんかわからなかったみたいで………。
なんだか不思議な宝石の遊色を見てるような、未知の生物の化石を見てるような気持ちになる作品でした。

作家:ハイグ・アイヴァジアン(レバノン)
チョークを詰めた小さな袋を黒い壁に投げつけて作った作品です。監視社会の歴史を表してる…らしいです…。
遠くから見ると暗い水槽の中でクラゲが泳いでるみたいに見えます。そしてスタジオ単体で撮るとなかなか「映え」な風景に。明らかに主張と合っていない感想で申し訳ない。


今回のハマのトリエンナーレについては全体的に前衛芸術っぽいのが多めかな?と感じました。
あと、地球の環境問題(原発や自然災害について)、社会問題についてテーマにしたものが多かったような??
うーん…正直に申し上げますと、直感的には「わかりにくい」作品が多かった印象です。
SNS検索してみても「難解だった」という感想がチラホラ…。

作品がメッセージ性強めで前衛的なものが多いのもそうなのですが、説明文の言い回しもそれを後押ししてるんじゃないかなぁ。
今回展示会のキュレーター(企画者)、アーティスティック・ディレクターは「ラクス・メディア・コレクティブ」というインド出身の三人組アーティストです。
ラクスとは、ペルシャ語アラビア語ウルドゥー語で「ダンス」を意味し、宗教的には円舞、回転運動により到達する所謂「トランス」を表す言葉でもある、とのこと。
日本でもありますよね、繰り返し同じ型を踊ることによって神憑り、トランス状態、悟りの境地のようなものに入りやすくするというの。
これを思考的な部分で実践し、絶え間なく繰り返し考え続けることで真理に到達する、という考え方でもって活動をしているアーティスト集団、それが「ラクス・メディア・コレクティブ」のようです。

なので今回の作品にもラクスの方々による作品の哲学的、詩的な解釈が説明文として表記されているのですね。
うーん、しかし……作品説明文に求めるのは「この作家はこういう経歴でこういう道具を使ってこの作品でこういう意図を表そうとしています」といったものなので、ここら辺は非常にわかりにくかったのでは?と個人的には思いました。
説明によって作品に強制的な意味付与をしてしまう可能性もありますし、好みの問題でもあるので、間違ってるとか正しいとかは言えません。完全な相性と言えるかも。

前衛芸術に限らず、よく「この作品は我々に問いかけている…」というような作品説明がありますが、「問いかけるのはいいけどあなたの意見は?」となってしまうのがなかなかキツいんですよね。
作品越しに問いを丸投げされて「さぁ考えてご覧なさい、貴方の考える過程とその答えこそがこの作品なのです(ドヤ!)」と一方的に上から言われてる気分になるというか。
禅問答じゃないのだから「読者に任せる」にしても限度があるぞ!となる。
今回は説明文含め若干その気配を感じる作品が多かったように思えます。個人の感想なので、アレなのですが。
でも、地球の問題にしても社会の問題にしても個人の問題にしても、結構ままならないことが多く、もがいてる気持ちをまんまぶつけてるのかもしれないのかな。
ぶっちゃけそういう問題に関しては日常的にずっとモヤモヤしてしているので美術展に行ってまでそれを考えるのは正直得意ではないのですが、これはこれ、そういう作品ということで受け止めたいです。

ここから個人的にわかりやすくてイイネ!ベスト3作品貼っていきます!

作家:エレナ・ノックス(オーストラリア)
落書きみたいだけどこれも作品です。
扉にやたら可愛い感じの手書き字で「エコスフィアに出口はありません!!!」「ダメです」「ここに居て下さい♡」とか、
このいかにも「ヤベーだろ???(^ω^ ≡ ^ω^)おっおっおっおっ???」といった主張の強さが好き。いいぞいいぞ!
冗談はさておき、エコスフィアというのは人工的に作った「動物と植物が完全にバランスをとった世界」を指します。
NASAのスペースコロニーの研究として作られたもので、小さな球体ガラスの水槽に人工海水と藻とエビが数匹入っています。
エコスフィアの中は何の脅威もない安全な環境なのにエビは生殖をやめてしまう、という現象から発想を得た作品とのこと。
これを踏まえて扉の落書きじゃない注意書きを見ると、なかなかにゾッとするものがあります。
いいですね、エコスフィア…初めて聞きましたがこれはオタク的に通じた用語ではディストピアに通じるものを感じるぜ。端的に好き。
しかし上記のことはネットで作品について調べないと全然わかりませんでした。最初は海老大好きアイラブシュリンプな海老激推しの作家さんなのかと思っちゃったわよ。

作家:レーヌカ・ラジーヴ(インド)
アフリカ美術を彷彿とさせる作品です。
三つ子の使徒って感じが可愛くて好き!キュート。

作家:エヴァ・ファブレガス(スペイン)
人にとっての「気持ちいい」「心地いい」ものに興味を持って作ったという作品、ラクスはは「腸内の善玉菌悪玉菌」と解釈したようです。
すごく、めちゃくちゃ、わかりやすい!!
ビフィズス菌配合の腸の薬のCMに出てきそう。内臓だとわかるけどグロくはない、親しみを覚える感じ。
座れるし楽しいです。

久々の美術展楽しかったー!
色々考えされられたりしておもしろかったです!
現代美術は見ていて自分の思ったことを割と素直に感じられるのがすごく楽しい。
いいな、と思うのもイマイチだな、も思うのも気軽にできるというか。
勿論美術の世界では何を感じようと自由とされていますが、何となく、モネとかピカソとか誰でも知ってる有名な作家さんの作品って自分の琴線に触れなくても「なんかすごい」という前提があって、興味を持って調べないと「なにがすごいのかわからんけどすごいらしい」で終わってしまいがちなので。
(その代わり調べる腑に落ちて好きになることも多い)
直感的に、ええ?それってどうなの?とか、うわー!めっちゃおもしろい!いいね!とか、瞬間的に反応がしやすいのが私にとっての現代美術の魅力かなと思ってます。軽率なのかもしれませんが。

次のハマのトリエンナーレも楽しみだなぁ。
近くだけど、ゆっくり泊まりがけで見に行ったりもしてみたいです。

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