人工呼吸みたいなキスができたらいいのに。
君たちもうそれやってない??って思ったのは私だけじゃないはず(出オチ)
4巻と6巻ってエトラがお互いを泥沼から引き上げて君のことが大好きで大切なんだよとギュッとする話だけども、この救済の順番は不可逆なのがとても好き。
4巻の正義くんの行動は、自分を大切にすることがわからない、大切な人の役に立ってそのまま消えてしまいたい気持ちを無自覚に持ち続けていたあの正義くんだからこそ出来たんだろうなと思うので。
今の正義くんは自分を大事にすることがリチャ氏はじめ自分に関わる人たちの幸せに通じてるという自覚ちゃんとあるからね!
でもそれだとどうしたって伯爵家のダイヤモンドの呪いについては八方ふさがりになってたのではと思ってたりします。
あの呪いのめんどくさいところは(発端はどうであれ)「みんながハッピーになる解決策を目指すと絶対に解けないどころかバラバラに引き裂かれる」ところにある。
あの時点で迷わず他の誰でもなく、自分すら勘定に入れずリチャ氏「だけ」を選べたのはあの正義くんだけだし、タンザナイト前までの正義くんもこういう形で肯定されているのだなと感じて、丁寧な話の作りだなぁと改めて思います。
(そもタンザナイトであんな早く事態に対応・リカバリーできたのはジェフ兄が味方陣営についてたのがかなり大きいんですよね…あと、リチャ氏に呪いが残った状態だと「去る者追わず」になる可能性が高い…)
10巻でここまで至るまでにもっといい選択があったのではないか、それらが上手くかみ合って今よりもっといい未来が仮に提示されたら自分はリチャードの傍を離れられるか(それは無理っぽい、でもそれってリチャードのためと言いながらエゴを満たしてるだけという証左では?)という割とどうしようもないことで正義くんは悩んでたけど、
これを本人は真剣に悩んでるのに読者としてはイヤイヤそれはないと即答できるのは、メタ的に不可逆の構図をしているのがわかるからというのも大きいのかもしれない。
完璧じゃなくても最善じゃなくても最悪でも、あの時はそうするしかなかったというのが宝石商の話には沢山あって、でも最終的なハッピーエンドには「あの時の全然よろしくない選択」が必要だったときちんと説明されてて宝石商は話の流れがほんと巧みで美しいなぁと感じてる。
出会ってくれてセンキューエトラ、末永くお幸せにな!
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