宝石商公式イベント朗読劇の感想です。
画像は!!レストランっぽいやつ!!ということで。
※長いです。
出だし正義くんのナレーション、なんかちょっと落ち着いた感じが…するような?
フラメンコギター情緒あるな~ハルヨシはアニメだとフワフワ度がちょっと増すような。声が可愛いからかな? 仔犬、小型犬って言葉がしっくりくる。
咄嗟に「ジェイムズ」と誤魔化すジェフ兄、激重告白への第一歩になろうとは思わなかっただろうな。
ここでハルヨシとの出会いとやり取りが無ければ兄弟は和やかながらも距離を保ったままの会合になっただろうから、そう考えるとハルヨシはすごいキーになってるのだな…一番アウェイっぽくなりそうなキャラをこうして取り入れるのはすごいなぁ先生。
素っ頓狂な声を出す正義くんへのリチャ氏の「はしたないですよ」………わぁい(にっこり)何がとは言わないけどすごく良い響きですね「はしたない」。下品ですよ、ではないんだよなぁ。
ジェフ兄のタレント業は結構本格的に忙しいやつなんですね。フォロワーが十万単位でいるんだろうなこりゃ。
そんなジェフ兄を「かっこよすぎるー!」と無邪気に褒めるハルヨシ…なんか可愛いなやっぱ。
「最近褒められるのが好きになってあれこれ苦労してかっこつけてる」って指摘されるリチャ氏なぁ。あれこれ苦労…香水変えたりね…してますね…。
リチャ氏がデザートがお目当てだったのを見抜いて当たり前のように自分の分をあげようとする正義くんさすがだし、リチャ氏…めっちゃ食べたかっただろうなwww
ハルヨシの「えっ」とジェフ兄の「ほぉ?」に挟まれお断りするしかなかったようだけど、正義くんと二人の時なら貰うのも食べるのも当たり前だった様子。思わず私も「ほぉん?」ってなっちゃう。
昔まだ断絶される前の二人だけの秘密の象徴である「ジェイムズ」を名乗っているからこそ、お互いを真正面から心配し合えるというのは何とも言い難い関係だな~
単純に言ってしまうとメンドクサイな!?ってなりそうだけど作中誰もその言葉は使わない、この安心感。
今回この劇を見るまでハルヨシをどうするんだろう、ゲスト的な立ち位置にするのかな?って思ってたけど大分違った。
これ、ハルヨシなくしては始まらなかった劇中劇っぽいとこがある。
「ジェフリー・クレアモント」だとリチャードはどうしても「リチャード・クレアモント」の色が強くなるし、この二人+中田正義の三者だけだったらお互いの事情を知っているが故に、お互いがお互いの引き際を知りながら踏み込まない故に劇が始まらないんですね。
「ジェイムズ」だからリチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンや中田正義との関係が独立するし、その設定を持ち込めるのはハルヨシがいるからこそというのが上手いなぁ。
あと、ジェイムズ(とエドワード)ってあの兄弟にとっては「二人だけの秘密」で、耽美で儚くてほの暗さも含んだ触れがたい何かを感じていたんですが、こう使ってくるとは~~~と。イベント朗読劇としては確かに重かったけど!
「許してほしくない。許されたらそこでおしまいになってしまうのではないか、そうなるくらいならずっと憎んで欲しい。」などと言いだし弟への激重感情で場の空気を沈めるジェフ兄、紛れもなくリチャ氏の兄弟。ヤーアブルニーを未だ名乗るにふさわしい男だぁ……。
そんなお兄ちゃんにはセレスタイトのリチャ氏を見て欲しい。
失踪前にセレスタイトってお前の目と似てると言った男にセレスタイトを押し付け「割るなり燃やすなりするのもいい」等と宣うのに他の人にはあげないでオーラバリバリ出したリチャ氏を見てください。
焦った正義くんがヤーアブルニーの地雷を自ら踏み抜いたのはちょっと笑った。いや、地雷だったのかな?
ヤーアブルニーは「貴方がいないと生きていけないから貴方の前で死んでしまいたい」という言語的な意味と「エドワードとジェイムズは本当の兄弟である」という甘い幻想の設定を持ち合わせた言葉なので、それを名乗るというのはなんとも苦く、「今でもあなたを想っています」というか昏くとらえると「自分はあの時のままです」と言われているような気持ちになるなぁ。
でもこれを聞き出せたからこそのリチャ氏の今回の反応があったんでしょうね…。
何があろうが兄は「兄」で、どうあってもリチャ氏にとっては「捨てたくないもの」なので、貴方も諍いは諍いとして別の場所へ胸にしまって新しい関係を築こうとしていくべきでは?という。
許すと何もかも無かったことになってしまう、それくらいなら許されない方が良いとするジェフ兄ですが、そもそも「許す許さない」と「二人が兄弟であること」は全く別問題なんですよね。
しかし血の上では兄弟ではないからこそ、「兄弟である」ことの証左になるものに必死になってしまう。
でもそうやって許してほしくないことに縋ってるジェフ兄だけど、それはジェフ兄も苦しいしリチャ氏も苦しいことなはずなんだよね。
そもリチャ氏は誰かを「許さない」ことに非常に向いていないキャラだなと思ってるので、許さないで欲しい憎んで欲しいと望むのは、かなり酷なことかと思う。
そこら辺よく理解してる正義くんが「このやろう、と言いたくなった」とジワっと怒りを露わにしてるのがとても良かったし、それでも抑えてるのが成長したんだなと感じられて好きです。
正義くんも大概誰かを「許さない」ことに向いていないけど、幼少期から実父とその血を継ぐ自分を「許せない」気持ちを持たざるを得なかったのでその苦しみがいかほどのものかわかるんだよな…。
そして彼は血の繋がりがある故に「許せないし捨てたいのに捨てられない」という苦しみも知っているという。
血の繋がりがなかったからこそすべて無かったことになってしまうのが恐ろしくて「ヤーアブルニー」という設定に縋ったリチャ氏とジェフ兄、血が繋がっているからこそ自分ごと全て無かったことにしたかった正義くん、対照的だなぁ。
余談だけどトークで「1~3話の正義だったら『あなたジェイムズじゃないでしょ!何やってるんですか!?』って言っちゃってたよねw成長したね~!」って言われててめっちゃおもしろかったですw同意しかできない。
あとここで「私の大切な友人たる正義」ってリチャ氏!サラっと言ってるけど8巻直後のお話だから友達アピールしたいよねわかるよ!そういうのもっとしてください!
(正義くんもサラっと「俺の大事なリチャード」とか思ってて君たち~~~~~も~~~~~今お兄ちゃんが大変なことになってるのにこのこの!)
ジェフ兄が許してほしくないと思ってることを汲み取っているから、リチャ氏も適当な塩対応でやり取りしてたとこあるけど 今回ジェイムズという過去の縁からリチャ氏とジェフ兄が真正面から向き合ったというのが、そしてそういう特別な場所にルトラン・「ブルー」という象徴的な色があるところが使われているの、資生堂パーラーの「赤」とのセットになっているように感じられて高まった!
許されていることを知らされ励まされたジェフ兄の「元気になっちゃう」の言い回し、ああ、やっぱ兄弟なんだなぁって再度思わされた。
しかしここまで言われても一人で自罰の方へ行こうとしたジェフ兄、ヨアさんや兄弟達に怒られて抱きしめられてくれよな!とりあえずハネムーンで島送りしない!?
無性に食べたくなるもの「プリン」で唱和する兄弟~~~~小さい頃の幸せな記憶の象徴であるガバネス先生のプリンだし4巻で兄弟で一緒に食べた仲直りの象徴である正義くんのプリンなんだよな~~~!!
その後ハルヨシがジェフ兄に食い込んでくるのが意外であり嬉しくあり。
「ハリー」という愛称被りをしているハルヨシがヘンリーさんの言葉をジェフ兄に伝えるの、すごく滾った。
「傷つけた人の方が傷付くこともある」っていうのは、ヘンリーさんからジェフ兄には直接伝えられることはないだろう言葉だから余計に。あとその言葉は一体どんな会話から出てきたんだハルヨシ…教えてくれ…。
優秀で優しい兄(兄弟)たちから可愛がられてて、でもどこかで気遣って貰っているというやるせなさを感じていたところはヘンリーさんに通じてるけど、「弟さんはもう許してる、というか最初からもう顔も見たくないとも思ってない」って弟の立場としてリチャ氏にも通じてて、ジェフ兄にそれを伝えることでジェフ兄の「親切な妖精さん」になって繋がるの…ハ、ハルヨシ!?アニメでのモブぶりは何だったのか!?司会の柳原さんに「(アニメで)ギター弾いてるとこ見たこと無いけど…」と言われてたのに…!?
優しさを受けてきたからその分還元したいと思う、とか「人は受け取った分しか人に返せない」っていうシャウルさんの言葉を思い出しました。
やるせなさも感じるけどちゃんと受け取れているし受け取れるだけの人に育つ環境にいたんだなハルヨシ。お兄さんたちもだけど良い意味で恵まれた家庭なんだと思う。
ヘンリーさんとリチャ氏に通じるものを持つハルヨシが「ラッキーがありますように」と正義くんにとってジェフ兄が「親切な妖精さん」であったことに掛けてジェフ兄の幸運を願うというのがすげーいい構図だ…。
受け取ったものを相手に渡して、それが巡り巡ってまた受け取ることになる。
人を呪わば穴二つも実はこれに通じてて、相手に与えた呪いは巡り巡って自分が受けることになりかねない。因果応報とも少し違うんですよね、この言葉。
人を愛するのも、人を憎むのも渡して受け取ってまた渡してという循環の中にあるってことなのかなーと思います。
しかしジェフ兄はジェフ兄でハルヨシのSNSのアカウントを教えてもらったわけだがこれは…どうなっちゃうのだ??10巻までハルヨシとジェフ兄はニアミスするのか?それともあの調子で10巻以降もニアミスをかますのか。
エトラパートで2部ガーデンパーティ後に一気に飛ぶから一瞬??ってなったけど二人が仲睦まじそうですべては些事でしたね…。
金の装飾に兄弟の誕生石であるラピスラズリとムーンストーンがあしらわれた特注品の列車かぁ…えぇ…ジェフ兄よそれはおいくら万円したんだ…?兄弟の愛と絆はプライスレスってか。そうかそうか。全く同意だよ。
西洋の人達にとっての東方への繋がり(列車のモデルになっただろうオリエント急行)、「ルトラン・ブルー」はヨーロッパの南北をつなぐ電車から名前が付けられた。
「青い列車」繋がりであり、兄弟同士と新しい友人達を繋ぐ、新しい旅路(関係性)の象徴。
…この列車にもギュっといろんなものが詰まってるなぁ。宝石商はこうやってイメージと関係の連想繋ぎみたいなのが本当上手くおもしろいですね。
ジロサブのワンワン声が結構しっかりワンワンだった。キャンキャンではなかった。
デザートを要求し、正義くんと過ごすおやつの時間はかけがえのないもの、ともう臆面もなく言えるリチャ氏、これが「彼のあるべき場所」特権「好きな人」効果…!
正義くんは正義くんで予行演習と称しプディングを3種作ったうえで「お前が一番気に入った味を本番で作る」「ちゃんとプリンも作ってあるよ」ってさ~~~~一部の隙も無いスパダリやんけ。ちゃんとプリンも作ってあるぞな正義くんは二次創作で何度も見たが現実だったな。
色んな事があって色々乗り越えて、ハッピーなクリスマスを願う正義くんに「あなたと私がいるのだから間違いなくハッピーでは」と言うリチャ氏について10巻を踏まえて考えるとジーンときますね…4巻でも6巻でもきっとこうは言えなかったと思う。
「そんな真正面から言われると照れるな」って言う正義くんに「どこかの誰かに聞かせてやりたいです」ってちょっと呆れたように笑って言うリチャ氏の声の優しさとか、あのガーデンパーティーの後なんだとしっかりわかるのがとても良かったです。
本番はどのプディングを作ったのかとか気になるな~イブはリチャ氏の誕生日だし、正義くんにとっては「好きな人」の誕生日お祝いと「好きな人」とクリスマスを過ごすのが連続するので盛沢山ですねこれ。しかしこれ「プレゼントは俺」で「サンタクロースがプレゼント」がリアルにできてしまうな…?(閃いた顔)
誕生日にもクリスマスにもどこか居心地の悪さを感じていた二人がその日を楽しみにするようになって互いに「あなたには私がいて私にはあなたががいる、それだけで幸せだ」と言える関係になれたってことがめっちゃ尊い。
長くなりました! 流れで書いていくとすごい長さになりますねこれ…。
あれとこれとそれが全部繋がって…原作のあの情報やこの情報とも繋がって…あれ?これってつまりそういうことか…??みたいになるのでいくらでも潜っていけてしまいそうです。
あと声優さん達、マジですごいですね…。
S井さんやU田さんはトークの時と印象…活舌とか声のトーンが全然違っててびっくりしました。
ご本人も仰ってた通りU田さんはトークの時ちょい鼻声かな?と思ったのですが、演技に入ると全然そんな気配感じさせない声になってこれがプロ…ってなりました。
I口さんもトーク時の姫力の強い声とハワワぶりからの冒頭ハルヨシ、元気な仔犬キャラに切り替わるのすごかったし、M風さんがトークでジェフ兄滑り込ませてくると「お兄ちゃんだ!!」って反射で反応してしまった。地続きながらハッキリと「切り替わる」感じがわかっておもしろかったなぁ。
しかしまさかイベント劇で兄弟が向き合うとこを見れるとは思わなかった。すごく重要なお話でしたね。
ジェフ兄の「許されたくない(許さないでずっと憎んで欲しい)」は罪の意識による純粋な贖罪の気持ちの表れのみではなく、リチャ氏との兄弟の記憶を無かったことにして欲しくないから(壊した自分には面と向かって「これからも兄弟でいて欲しい」と言う権利が無いと思ってるから)という積極的なものを孕んでいたことが分かってなかなかの衝撃でした。
そしてガーデンパーティー後のエトラについてもシンハライトと10巻エピローグ以外で見れたこと、その二人に声が付いたのが感無量。 正義くんもリチャ氏も声が全体的に落ち着いてて相手に向ける声の調子が始終優しい&リチャ氏のストレートな言葉の数々になんかもう、エターナルを感じた。(エトラは宇宙だった…?)
幸せになってくれってより幸せになるだろうから隅っこで見守らせて欲しい、なんだよなエトラは。
すこし苦くてとびきり甘い、美味しさフルコースみたいなお話をありがとう宝石商。まずは感謝を。
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