観てきました。
原作未読です。
最近は目的がはっきりした映画見てきたから見た後のモヤモヤ感は一番かもしれない。
小さい箱でしたがお客さんかなり入ってました。しかも年代も性別もかなり幅広い感じ。原作読んでる人も多いんだろうなぁ。
感動した!という声が大きかったですが、個人的には確かに、と思うと同時にやっぱりモヤモヤの方が強かったかな。色々と考えさせられるというか。
トットちゃんと小児麻痺の男の子との出会いと別れ部分は感動ストーリーなんだと思うし、少し泣いたけど、頭のどこかで「頭のしっかりした身体障害ならこう描けるけど、知的障害児なら?二次障害併発してるような子は?」とか考えてしまったり。
トモエ学園の方針は素晴らしいと思いつつ、これを持ち出して現代の多様性とかインクルーシブを語るには狭すぎると感じたり。
多分本筋じゃ無いところで勝手に引っかかってモヤモヤしてました。
声優さんみんな上手すぎる。
りりあなさんのトットちゃん可愛くて魅力的な小学生でびっくり。
「トットちゃんよ」とかの、語尾をキュンと上げる感じの話し方が印象的だった。
他の同級生の子たちも個性しっかり出てるのがすごい。
日常にヒタヒタと戦争が染み込んでくる描写が怖くて良かったです。
当たり前にあったものが無くなっていく。
キャラメルも給食も横文字も飼い犬も切符を切るおじさんも。
今から見ると異様だけど当時それはいきなりではなくて、なんとなくあれ?と思うことはありつつ生活は続いていって、気付いたらもうすぐそこまで戦争が迫っていたみたいな感じなんだろうな。
贅沢な服はやめましょう!おしゃれなんてもってのほか!と列組んで訴えてたのが女性なのとか、自由なトモエ学園のでも子供たちは敬礼する兵隊や大日章旗の絵を描いてる(恐らく描くことを強制されてはいないのかな?子供たちはごく自然にそれらをかっこいいものとして描いてるんだろうなと感じました)とか、ご飯をいっぱい食べたいとお腹を空かせた子供に卑しい歌を歌うなと言いながら食堂に入っていく兵隊のおじさんとか、地味にしんどくなるボディブロー描写が光ってる。
最後らへん、空襲で焼け落ちる学校を背景に炎の照り返しで目を爛々とさせながら「さぁ、次はどんな学校をつくろうか?」と言ったトモエ学園の校長先生の最強キャラ感が凄かった。FGOだったら召喚されてる風格があった(?)
描写基準ががっつり昭和時代なので(学校で男女混合すっぽんぽんでプール、お父さんとトットちゃんの入浴シーンありなど)注意喚起!とか回ってきそうなものだけど一切無いあたりそういうのやる層が全然見てないんだなーという印象。あとまぁトットちゃんだし?みたいなのが予めわかってるからかな?それはそれで注意喚起!して反応貰えそうな映画選んでるんですねという感じですが…。
総合して多様性や戦争について考えさせられる映画でした。
絵柄に癖があるので苦手な人はやはり苦手かな?と思います。漫画やアニメに慣れてる人ほど違和感感じるかも。
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