再掲です。サリエリとアマデウス。
FGOは「サリエリがFGOでスーツ姿のイケオジデザインで出る上に映画アマデウスも取り入れた設定で召喚されるぞ」というのを風の噂で知ったのがきっかけで始めました。
丁度2部1章が配信された辺り。
映画アマデウスは両親が大好きで小さい頃から何度もビデオを見ていてすごくなじみ深かったんですよね。
当時は全然話の内容とかわからなくて、ただ音楽いいなぁ〜ぐらいの気持ちで見てました。魔笛と船出の歌のシーンが好きで、老サリエリが冒頭首を切るところは怖くてずっと苦手だった…。
大学生の時に見返して、ようやくサリエリの感情の揺れ動きとかがわかって感動しました。
一番好きなシーンはアマデウスが死に際、ベッドの上で熱にうかされながらレクイエムを口ずさむ中、傍にいたサリエリがその音楽を楽譜に書き留めるところ。
必死に筆を走らせながら「待ってくれ、筆が追いつかない」とすごく真剣に自分の音楽を書き留めてくれるサリエリを見て、アマデウスは微笑んで「よかった、僕はあなたに嫌われてると思っていたから」って言うんですよ。嬉しそうに。
それに対して絶句して何も言えないサリエリがも〜〜〜刺さる刺さる。
アマデウスの神才を誰よりも理解していたからこそ嫉妬して追い詰めて間接的に殺してしまうのが映画のサリエリで、アマデウスという神才が大嫌いだったのと同時にその音楽を物凄く愛していたんですよね。
これぞ所謂正統派の愛憎クソデカ感情。素晴らしい。
「アマデウス=天才とサリエリ=天才に嫉妬して邪魔をする凡才」を定番化させた名映画でもあるわけですが、まぁこれ全部史実とは異なりまくってるわけでして。
実際のサリエリとアマデウスはサリエリが音楽好きの皇帝に気に入られていた&イタリア音楽が流行っていた初期こそ仲は悪かったけどしばらくすると普通に仲のいい音楽友達になってたみたいです。
史実とゴシップ演劇や有名映画で定番化したネタを取り入れたのがFGOのサリエリって感じです。
史実ベースのサリエリだと普通に「音楽と甘いもの大好きな宮廷音楽長おじさん」で英霊にするにはちょっと弱いので、映画や演劇で後付けとして付与された「神才に嫉妬し殺すモノ」を無辜の怪物として取り入れてなんとかキャラ立ち…じゃない霊基を確立させている、という設定。
史実サリエリには「アマデウスに嫉妬して殺した」という事実は全く無いのに、映画や演劇で広く流布したサリエリ=神才アマデウスを殺すモノを取り入れることで顕現できるといった感じなので、召喚されるサリエリは史実の自分と捏造の自分で常にゆらゆらしてる情緒不安定おじさんになっています。
メインで活躍する2部1章でのサリエリとアマデウスの関係描写は映画アマデウスが好きな自分もすごく楽しめました!
ずっとアマデウスを殺すのだ!と探し回っていたけど、実はもうアマデウスは死んでいて…絶対あの神才を殺すのだと乗り込んだのに敵将を抑えるため絶えず宝具展開してボロボロに擦り切れたアマデウスを見た瞬間「貴様達、この神才に何をした?!」って周囲に吠えるサリエリ…すごく良かったです…。
ラスボス戦ではサリエリが演奏している、という設定の「怒りの日」アレンジの曲が流れるのがまたカッコいい!
このアレンジかなり好みでたまに作業用として流してます。
基本一人では弾けない形式だから退去したはずのアマデウスと連弾してるのでは?という考察も当時ありましたがそうだったら胸熱だなぁ!ストーリー中イマジナリーなのか残滓なのか曖昧なアマデウスが出てきていたので連弾だとしたら、最後の「この世界が終わるまでキラキラ星を弾いてくれ」というアマデウスの願いを叶えるサリエリとも繋がってくるので…。
あと、個人的にめっちゃ感謝だったのが、万能の天才であるダヴィンチから「凡才が天才に焦がれて嫉妬したって意味ないよ」と言われて「私にとって音楽以外での天才は全て凡人だ」とはねつけたサリエリのシーン。
天才に嫉妬する凡人キャラとして定番化しがちな「天才とつくものになら何にでも噛みつく」という解釈への否定、めっちゃ解釈一致でした。
焦がれて羨んで憎んで愛してるのはたった一人の神才なんですよねぇ…それ以外から…たとえ万能の天才からであってもなんと言われようとアウトオブ眼中。
ハイエンド秀才キャラの、届かないと誰より知っていてでも星に手を伸ばすことを諦めない、そういう強さが好きだからここのシーン大好きです。
FGOのサリエリとアマデウスはそれぞれ史実、演劇映画アマデウスネタ、Fシリーズ独自設定が盛られていてかなりボリューム満点なキャラと関係性だなーと思います。
宝具名やら由来やら宝具展開セリフがお互いへの矢印溢れてるしデザイン対になってるしあーーーー書き出すと長くなる………。
一番星のアマデウスと怪物になっても星に手を伸ばすことを諦めないサリエリの関係性を推してます!
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