読書の秋ですね。
「罪の名前」
偶然見つけておシャンなホラー風味鬱小説だ!と意気揚々と購入したのですが読み始めたら本当に鬱でジワジワダメージ食らってます。
短編集で、どのお話も「すごく珍しい!斬新!」という構築や展開はしていないかなと思うのですが(病的に嘘を吐くサイコパス的な青年が出てきたり、兄弟のぐちゃぐちゃした愛欲と憎悪とかが描かれていたり。)言葉の流れが自然で、リアリティのある生々しい陰湿さが精神をガリガリ削ってきます。
語り手が直接殺されたりはしないのですが、じめっとした、見てはいけないものを見てしまった…という読後感がある。
展開は何となくわかってもその描写については白日の元に全て晒さずかと言って何となく悪い方向に察しはつく、といった感じでホラーらしい雰囲気です。見せ過ぎず、しかし不穏な何かがヒタヒタと近づいて来るのがちゃんとわかってしまう感じ。
こういうのってセンスがありますよね…。
有名なBL作家さんでもあるらしく手にとってから知りました。なるほどアニメイトに置いてあったわけだ…。
代表作といわれる「箱の中」も気になってきたので今度読めたらいいなぁ。
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